「日本銀行」って馴染みがなくて何をしている銀行かピンと来てない方も多いと思います。
今回は日本銀行がどのような銀行なのか分かりやすく解説します。
日本銀行とは
「我が国の中央銀行として、銀行券を発行するとともに、通貨及び金融の調節を行うこと」および
「銀行その他の金融機関の間で行われる資金決済の円滑の確保を図り、もって信用秩序の維持に資すること」
日本銀行法に上記のように規定されています。
日本銀行が通貨及び金融の調節を行うに当たっての理念として「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資すること」を掲げています。
参考 日本銀行について日本銀行ホームページつまり、銀行の総本山というべき国の中央銀行が日本銀行です。
日本銀行では、貨幣を発行・管理して、日本全体の貨幣流通量を調節しています。
また、物価の安定を図り、国民が安心して生活できるようにしてくれています。
日本銀行の役割
1.発券銀行
日本銀行が発行している「日本銀行券(日銀券)」
みなさんが持っているお札にも日本銀行券と書かれているはずです。
紙幣を管理して、流通量を調節しています。
また偽造防止策なども公表しています。
参考 一万円券の偽造防止技術について日本銀行ホームページ
ちなみにですが、お札を印刷しているのは、国立印刷局です。
日本銀行は発行しているだけで印刷はしていません。
参考 お札の印刷工程国立印刷局ホームページ
2.銀行の銀行
金融機関が「お金を預ける銀行」なので「銀行の銀行」と呼ばれています。
銀行の銀行と呼ばれるのには、3つの理由があります。
金融機関同士の取引決済手段
金融機関同士のお金の流れは「日銀ネット」を経由しています。
日銀ネットは、正式名称「日本銀行金融ネットワークシステム」の略語で、日本銀行とその取引先金融機関との間の資金や国債の決済をオンライン処理により効率的かつ安全に行うことを目的として構築された、日本銀行が運営しているネットワークのことです。
参考 日銀ネットとは何ですか?日本銀行ホームページ- 銀行も日銀に預金する
安心できる日本銀行にお金を預けて、必要にな時にすぐにお金を引き出すためです。 - 準備預金制度
1957年に施行された「準備預金制度に関する法律」によって決められています。金融機関は預金者から受け入れている預金の一部を必ず日本銀行に預けておかなければいけません。銀行が預金者からの「預金引き出し」に応じられなくなってしまうことを防ぐために「準備」しておくためです。
3.政府の銀行
日本銀行は、日本銀行法や会計法などの法令に基づいて
国(政府)の資金である国庫金に関する事務(税金や社会保険料の受入れ、年金や公共事業費の支払い等)を行います。
また、国債に関する事務(国債の発行、国債元利金の支払い等)や外国為替市場における為替介入事務など、国の事務を取り扱っています。
こういった面で日本銀行が果たしている役割は「政府の銀行」と呼ばれます。
私達が、国に収める「税金」や「社会保険料」は、銀行や郵便局を経由して日本銀行に集まります。
一般の銀行や信用金庫などが日本銀行の「代理店」をつとめているので、一般の銀行や信用金庫などで「税金」や「社会保険料」を支払うことができます。
国庫金の内、国税や社会保険料として受け入れる国庫金を歳入金と呼び、年金の支払いなどで出て行く国庫金を歳出金と呼びます。国庫金の電子化も進んでいるので、インターネットバンクからの振り込みも可能です。
日本銀行の所在地・見学について
所在地
〒103-0021東京都中央区日本橋本石町2-1-1
見学
北口から入門し、手荷物検査を受けます。
見学の際は顔つき身分証明書が必要です。