「インフレ」「デフレ」に並んで使用される言葉として「スタグフレーション」という経済用語があります。「インフレ」「デフレ」に比べて認知度が低いので知らない方も多いのではないでしょうか?
今回は「スタグフレーション」について分かりやすく解説します。
スタグフレーションとは
意味
景気が後退しているにも関わらず、インフレが進んでいる現象のこと。スタグフレーションについて知る前に「インフレ」「デフレ」を軽くおさらいします。
もう知ってるよって方は飛ばして大丈夫です。
インフレとは
インフレーションの略です。
物価が上がり続けることを意味しています。
物価が上がると、お金の価値が下がります。
一般的には緩いインフレが景気的には良いと言われています。
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デフレとは
デフレーションの略です。
物価が下がり続けることを意味しています。
物価が下がると、お金の価値が上がります。
デフレになると物価が下がるので企業があまり儲けられなくなり、倒産するケースもあります。
倒産すると、そこで働いていた従業員が失業することになります。
なので、デフレは雇用の不安定や失業者の増大といった社会的不安をともないます。
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「インフレ」「デフレ」について確認したところで改めて
スタグフレーションとは
景気が後退しているにも関わらず、インフレが進んでいる現象のこと。
通常、景気が後退する原因はモノを買わなくなったり需要が落ち込むことからデフレによる物価下落が要因ですが、スタグフレーションは違います。
通常、景気が後退する原因はモノを買わなくなったり需要が落ち込むことからデフレによる物価下落が要因ですが、スタグフレーションは違います。
ではなぜ景気が後退している状況で物価が上昇するのでしょうか?
スタグフレーションの原因
- 戦争や紛争や政治混乱による影響
主に石油や食料など生活必需品の供給不足により、物価が上昇してスタグフレーションが起きます。
その背景には戦争や内乱や紛争などがあり、供給側の思惑で引き起こされる場合があります。 - エネルギーの輸入依存による影響
石油などのエネルギーを外国諸国に依存してしまうと、輸入先が内乱や国勢が乱れる事件が起きれば、スタグフレーションが起きます。
スタグフレーションの具体例
第一次・第二次オイルショックの際、原油価格が4倍に跳ね上がり、日本を含む多くの国がスタグフレーションが起きました。原因は中東戦争やイラン革命といった政治的な対立でした。
当時の先進国は石油を中東に依存しており、輸出の停止や値上げを宣告されるとたちまち国内経済にダメージを追うことになりました。
その結果、中東依存・石油依存から脱却するため、エネルギー輸入国を分散したり、油田開発、原子力や太陽光など代替エネルギーの開発に力を注ぎました。