「円高」「円安」という言葉をよく聞くけど、どこからが円高でどこからが円安なのか疑問に思ったことはありませんか?
今回は何を基準にして円高・円安と判断しているのか分かりやすく解説します。
期間を基準に円高・円安を決める
AさんとBさんの2人を例にして円高・円安を考えてみましょう。
Aさんの場合
Aさんは、来年に海外に旅行したいと考えています。
5年前、海外旅行した時は1ドル=100円でした。
しかし現在、為替レートを見ると1ドル=85円になっていました。
この場合、Aさんは「円高」と思います。
なぜなら、1ドル=85円を比べているのが1ドル=100円という、5年前の為替レートだからです。
100円から見ると85円は円高です。
Bさんの場合
Bさんは5カ月前、1ドル=80円のときにドルを買いました。
しかし現在、1ドル=85円になっています。
この場合、Bさんは「円安」と思います。
まとめ
AさんとBさんの判断基準の違いは、期間の長さです。
要するに、どのタイミングを基準とするのかによって円高になるのか、円安になるのかは違うということです。
企業を基準に円高・円安を決める
海外と取引する企業は会社の損益を出すために、標準為替レートを設定しています。
例えば、1ドル=85円に設定して損益計算する場合、1ドル=83円だと円高になるし、1ドル=90円だと円安になる。
輸出をする企業にとって、円高はデメリット。円安はメリット。
輸入をする企業にとって、円高はメリット。円安はデメリット。
輸出企業の場合
輸出をしている会社からすると、円高になると損益がマイナスになりやすい。
例えば、世界に輸出している企業であるトヨタやホンダやパナソニックの場合、円高になるとかなりの損失が出てしまいます。
輸入企業の場合
しかし、輸入をしている会社からすると、円高になると損益がプラスになります。
吉野家は牛肉をアメリカから輸入しているので、円高になるとかなりの利益が出ます。
経済を基準に円高・円安を決める
一般的に経済やニュースなどで発表される円高・円安は、直近3カ月の平均為替レートが基準となることが多いです。
GDPなどの経済指標が3カ月単位で発表されたり、企業が四半期ごとに決算を発表するからです。
したがって、過去3カ月の平均為替レートが1ドル=100円だとして、
現在、1ドル=95円だったら円高、1ドル105円だったら円安と判断されます。