源泉徴収票とは?見方など分かりやすく解説

源泉徴収票

給料の額面金額と手取りの差が大きいな。どうしてだろう?
会社から支給される給料は所得税や住民税といった税金や、健康保険料や厚生年金保険料や雇用保険料といった社会保険料が源泉徴収として天引きされた金額で支給されます。給料の額面金額と手取りの差が大きい理由は、税金と社会保険料が源泉徴収として天引きされているからです。

今回は源泉徴収票やその見方について解説していきます。

源泉徴収票とは

そもそも源泉徴収とは

そもそも源泉徴収とはどんな意味かご存知でしょうか。

源泉徴収とは
会社など支払う側が給料や賞与を支払う時に、所得税などの税金を天引きして、従業員の代わりに国に納税する制度のことです。

源泉徴収票とは

では源泉徴収票とはどんな票なのでしょうか。

源泉徴収票とは
会社での収入、所得控除額、納税額が分かる公式な書面のことです。

分かりやすく言うと「会社がどのくらい給料を支払い、税金を徴収したか分かる紙」です。

源泉徴収票には3種類あります。

  1. 給与所得の源泉徴収票
  2. 退職所得の源泉徴収票
  3. 公的年金等の源泉徴収票

引用 ”所得税法第226条”

会社は従業員1人に対して4枚の源泉徴収票を作成する義務があります。
その内訳は、従業員に対して1通、税務署提出用に1通、市区町村提出用で給与支払報告書として2通作成する必要があります。

源泉徴収票が作成される場面は2通りあります。

  1. 従業員退職時に作成
    従業員の退職時に、その年の1月1日〜から退職月までの給料を基に源泉徴収票を作成する義務が会社にあります。 この源泉徴収票は、確定申告や転職先の年末調整に使うので、大切に保管しましょう。
  2. 年末調整後に作成
    年末調整が終わったら、源泉徴収票を作成する義務が会社にあります。

源泉徴収票で分かること

源泉徴収票を見て何が分かるのでしょうか?
源泉徴収票を見ることで、あなたの収入・所得控除・納税額が分かります。源泉徴収票は年末調整後に誤りが無いかチェックする時に必要になるだけでなく確定申告や転職や住宅ローンに必要になります。

 

給与所得の源泉徴収

手取り収入が分かる

源泉徴収票を見ることで、自分の税込年収がA円であること(会社が自分に支払った給料や賞与額)、会社を通して支払った源泉徴収税額がC円であることが分かります。税込年収A円から社会保険料控除額B円、源泉徴収税額C円を引き、住民税(毎月の給与明細に記載)を1年分を引くことで、自分の手取り収入が分かります。※税込年収A円は住宅ローンを組む際に必要になります。

手取り収入=自分の税込み年収A円ー社会保険料控除額B円ー源泉徴収税額C円ー住民税1年分

①個人情報

一番上の欄には、その年の1月1日時点の住所、マイナンバー、会社での役職名、氏名などの個人情報が記載されています。

②給与所得控除の内訳

「給与所得控除額の金額」の根拠となる内訳が、「家族」「社会保険料」「生命・地震保険料」の欄に分かれて記載されています。年末調整時に申告した数字になっているかをしっかり確認しましょう。

③住宅ローン控除

住宅借入金等特別控除の額は住宅ローン控除を指しています。

住宅ローン控除は10年間受けることができますが、初年度に限って確定申告で控除を受ける必要があります。2年目以降は初年度に確定申告で申告した内容が年末調整に記載されます。

源泉徴収票の見方

これまでは源泉徴収票とは何かや源泉徴収票を通して分かることについて解説してきました。では、どう源泉徴収を見ればいいのか見方のポイントについて解説します。

源泉徴収票の詳細

上画像の①②③④を大きくしたものが下記になります。

所得控除額と源泉徴収額

①支払金額

支払金額とは
1月1日から12月31日までの1年間に会社が支払った給料や賞与の合計額で年収を指しています。額面金額であって振込額ではありません。

ここで注意が必要なのが、次の2点です。

注意
  1. 通勤費は非課税です。そのため、支払金額の中に算入せずに受け取っているか確認しましょう。
  2. 転職者は、前職の源泉徴収票を提出しましょう。
    前職の支払金額などの情報がなければ、その年の支払金額を正確に計算できなくなるからです。

②給与所得控除後の金額

給与所得控除後の金額とは
年収から給与所得控除を引いた金額を指しています。所得と言います。

給与所得控除後の金額のイメージがつかない方も多いと思いますので、図を用意しました。

課税所得税の求め方

給与所得控除

控除(こうじょ)とは、ある金額から一定の額を引くことを意味しています。

給与所得控除額の速算表

給与収入金額控除額
162万5000円以下65万円
162万5000円超180万円以下収入金額×40%
180万円超360万円以下収入金額×30%+18万円
360万円超660万円以下収入金額×30%+18万円
660万円超1000万円以下収入金額×30%+18万円
1000万円超220万円(上限)
意味
会社員の場合、上の表で求めた金額を差し引くことができます。個人事業主の場合、実際に使った交通費など必要経費の合計金額を差し引くことができます。

給与所得控除後の金額とは収入から給与所得控除を差し引いた所得を指しています。

③所得控除の額の合計額

所得控除の額の合計額とは
社会保険料、扶養家族や加入した生命保険などの所得控除を合計した金額を指しています。

所得控除の種類

  • 基礎控除
    すべての課税者について、一律に適用される38万円の控除
  • 雑損控除
    災害や盗難などに遭った際、その損害額に適用される控除
  • 医療費控除
    一部の入院治療代、介護費用などに適用される控除
  • 社会保険料控除・小規模企業共済等掛金控除・生命保険料控除・地震保険料控除
    負担している保険料に適用される控除
  • 寄附金控除
    災害の義援金など、寄附をした金額に適用される控除
  • 障害者控除
    納税者自身や扶養親族に障害者がいる場合に適用される控除
  • 寡婦(夫)控除
    配偶者と離婚・死別して、扶養すべき子供などがいる場合に適用される控除
  • 勤労学生控除
    給与を得て働いている学生・生徒で、所得が一定水準以下の場合に適用される控除
  • 扶養控除
    養うべき家族などがいる場合に適用される控除
  • 配偶者控除・配偶者特別控除
    一定水準以下の収入の配偶者がいる場合に適用される控除

課税所得

意味
一年間の収入ー給与所得控除ー所得控除で求めることができます。所得税は課税所得に対してかかります。

所得控除によりいくら控除できるのか

所得控除がいくら控除できるのか下記表にまとめました。

控除名控除額説明
基礎控除38万円すべての課税者について、一律に適用される38万円の控除
配偶者控除38万円年収103万円以下の配偶者がいると受けられる控除
配偶者特別控除38万円まで年収103万円~141万円の配偶者がいると受けられる控除
扶養控除(一般)38万円16歳以上の子供がいると受けられる控除
扶養控除(特定)63万円年収103万円以下の19歳~22歳の子供がいると受けられる控除
寡婦控除27万円〜夫と死別または離婚した妻のためにある控除
寡夫控除27万円妻と死別または離婚し子供がいて、所得500万円以下の夫が受けられる控除
社会保険料控除支払額全額年金・健康保険・雇用保険を納めた分の控除
一般生命保険料控除4万円まで民間の生命保険の支払いがあると受けられる控除
介護医療保険料控除4万円まで介護医療保険の支払いがあると受けられる控除
個人年金保険料控除4万円まで個人年金保険の支払いがあると受けられる控除
地震保険料控除5万円まで地震保険の支払いがあると受けられる控除
医療費控除支払額から10万円引く年間の医療費の10万円または所得金額の5%を超えた分の控除
小規模企業共済等掛金控除掛金の全額個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者が受けられる控除
雑損控除5万円〜災害や盗難などに遭った際、その損害額に適用される控除

④源泉徴収税額

源泉徴収税額とは
1年間の給料や所得控除を年末調整した後の最終的な所得税額を指しています。

源泉徴収税額の求め方

結論から言うと
源泉徴収税額つまり所得税は、課税所得×税率で所得税額が算出できます

会社員は勤務先から源泉徴収票をもらい、控除などの内訳を確認できます。個人事業主は確定申告書に自分で記載して税額を計算しますので、しっかり経費などはメモして置く必要があります。

源泉徴収税額は累進課税制度により税率を決めている

累進課税制度とは
課税所得が多くなるにつれ税率が高くなっていく仕組み

所得税の速算表

課税所得金額税率控除額
195万円以下5%0円
195万円超330万円以下10%9万7500円
330万円超695万円以下20%42万7500円
695万円超900万円以下23%63万6000円
900万円超え1800万円以下33%153万6000円
1800万円超4000万円以下40%279万6000円
4000万円超45%479万6000円

例えば、課税所得が195万円以下の場合、税率は5%ですが、900万円超では税率33%になります。

所得税の算出方法

課税所得額×税率-控除額=所得税額(源泉徴収税額)

税率と控除額は上記の速算表より、求めることができます。

例えば、課税所得が500万円の人は、上記の速算表に当てはめると、
500万円×0.2-42万7500円=57万2500円
簡単に求めることができます。

他にも、課税所得が500万円の人は、195万円以下までの部分は5%、195万円超330万円以下までの部分は10%、330万円超500万円までの部分は20%で計算することで、所得税額を求めることができます。

195万円×0.05+135万円(195万円超330万円以下までの部分)×0.1+170万円(330万円超500万円)×0.2=9万7500円+13万5000円34万円=57万2500円

源泉徴収票は何をするのに必要か

転職

MEMO
退職してその年のうちに転職した場合、年末調整時には前職の源泉徴収票が必要になります。転職先企業は、前職の源泉徴収票と合わせて年末調整します。退職する前に源泉徴収票を発行するようお願いしておくとスムーズに受け取ることができます。

住宅ローン

MEMO
金融系の審査を受ける場合、源泉徴収票が必要になります。なぜなら、源泉徴収票がなければ、その人に支払能力があるのか分からないからです。支払能力などを証明するために源泉徴収票が必要になります。

確定申告

MEMO
確定申告をする場合、源泉徴収票が必要になります。確定申告書の記入欄には、給与額、源泉徴収税額など記入が求められます。

源泉徴収票に誤りや申告漏れや紛失した場合

 源泉徴収票の誤りや申告漏れがある場合どうする?

会社側が誤った場合は、年末調整終了時までなら会社に報告すれば修正が可能です。

しかし、会社が源泉徴収票を税務署に提出済みの場合や年末調整時の自分の申告漏れの場合は、会社は修正できません。その場合、誤っている源泉徴収票を添えて自分で確定申告をしなければいけません。

源泉徴収票を紛失した場合どうする?

源泉徴収票は、確定申告や転職や住宅ローンを受ける時に必要になる重要な書類ですが、紛失する場合もあると思います。

紛失した場合は、企業に再発行を依頼しましょう。企業には源泉徴収の発行義務があるので、再発行する際も企業に言えばしてくれます。

支払調書とは?源泉徴収票とは何が違う?

個人事業主も所得税を源泉徴収されることもあります

 

支払調書

支払調書とは
取引先が税務署に報告した支払金額と源泉徴収税額が記載されている書類。

個人事業主が受け取る報酬は、所得税額が源泉徴収されています。通常、翌年の1月〜2月に源泉徴収税額を記した支払調書が送られてきます。個人事業主は、支払調書の内容をもとに確定申告を行います。